着物だと悪目立ちするって本当?
こんな悩みをお持ちではありませんか?
私も以前は同じ心配からブログなどを検索したことがありますし、SNSでも同じような話題が定期的に見かけられます。
主役の子供の衣装は決めた、パパはスーツ一択、自分のセレモニースーツは数年前のものでサイズもデザインも微妙・・・となったときに「着物はどうかな?」と思い浮んでここへ辿り着いてくれたそこのあなた!仲間です!
ここでは令和の時代に子どものイベントを迎えた私が、フォーマル用の着物の説明から実際に着たコーディネート、周りの反応や注意点を書き記します。
ぜひあなたにもお着物で参列して欲しいので、この記事で心配事を解消していってくださいね。
フォーマル用着物の種類と特徴
着物は素材や柄の付け方、袖の長さによって最適とされる場面が違います。
子どもが主役のイベントである七五三、入園式、卒園式、入学式、卒業式などで母親におすすめされることが多いのが「訪問着」「付け下げ」「色無地」「一部の江戸小紋」です。(お宮参りは着物での経験がないので割愛します)
それぞれの着物について簡単に説明します。
訪問着
肩から袖の部分、裾の部分に縫い目をまたいでつながった模様がある豪華な柄付けが特徴です。フォーマルのレンタル着物を調べるとだいたい真っ先に訪問着が出てきます。華やかなので「主役の子どもよりも自分が目立つなんて」などと陰口を言われそうなのはたぶんこれ。周りの視線が気になる方は入卒式では避けるという手も。(きものユーザーには大好評だと思います)
付け下げ
「肩山を頂点として模様が全て上向き」という定義に当てはまれば訪問着タイプでも小紋(全体が同じ柄の繰り返し)タイプでも付け下げと呼び、一見判別し難い着物です。子どものイベントには付け下げ訪問着と呼ばれるものがおすすめ。「柄が控えめな訪問着」くらいに覚えておくといいです。
色無地
シンプル・イズ・ベスト。染め(白い糸で生地を織ってから染める)の単色の着物です。織り目で表現されるうっすら浮かんだ地紋が美学。背中に家紋を一つ入れておけばこれ一枚でだいたいどこへでも行けます。色によっては慶弔兼用も可。
一部の江戸小紋
江戸小紋は遠目には無地に見えますが、近くで見ると細かい点や線で柄になっている着物です。「家内安全」などの面白い柄もありますが、フォーマルに使えるのは江戸小紋三役と呼ばれる「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「角通し(かくどおし)」に一つ紋を入れたものです。
その他のフォーマル着物と黒羽織
成人式でお馴染みの袖の長い「振袖」は一般的に未婚の衣装とされているのでママ着物には向きません。また裾だけに柄のある「黒留袖」「色留袖」はフォーマル度が高すぎて、「子どものイベントにアフタヌーンドレスで来た」というような仰々しい様相になるので控えたほうがよさそうです。
私が子どもの頃はちらほら見かけた「紋なしの色無地や小紋に一つ紋の黒羽織」という格好もフォーマル度としては○。ただし現在はあまり主流ではなく、春先でも気温によっては羽織まであると暑い可能性があります。
実際に着たコーデの購入先と周りの反応
七五三
息子の5歳の七五三のときは一つ紋入りの江戸小紋に銀糸の袋帯をしめました。ポリエルテルのきもので若干静電気はたちますが、洗えるので子どもとのおでかけに重宝しています。帯は母から譲り受けたもの。帯留めのつまみ細工は家族全員でおそろいにできるように作りました。
卒園式
卒園式には紋なしの付け下げに金糸銀糸の控えめな袋帯をしめました。重ね衿に慣れていなかったので前日に練習しました。きものはネットのリユースショップで購入したもので、帯は義母からお借りしたもの。帯留めの鶴は「大空へ高く飛び立てるように」という願いをこめています。
入学式
一つ紋入りの江戸小紋に金糸の袋帯をしめました。当日は強めの雨だったのでポリエステルの着物にしておいてよかったです。帯と帯締めはフリマアプリで購入したもの。卒園式は控えめに、入学式は華やかさを意識しました。
周りの様子や反応
卒園式では約40人中4人のママが着物でした。訪問着2人付け下げ2人、色合いはピンクや白の淡い系。
入学式では約150人中確認できたのは4人ほど。雨だったからか、卒園式で着物だった方も洋服でした。
両日とも顔見知りのママに「着物素敵だね〜!」「何時頃から準備したの?」「私も着付け習ってみたいなって思ってて〜」とポジティブなリアクションをもらいました。ママ友ネットワークの広い方は着物で来る人はいるかどうか事前にそれとなく聞いてみると安心かと思います。
みんな我が子の晴れ姿を目に焼き付けるのに忙しいから、あまり周りは気にならないのかも
注意しておくこと
①子ども本人の意向
子どもが大きくなってくると親と距離を置きたくなったり、親の服装などが気になったりすることも。イベントの主役は子どもですので、事前に「着物を着ていっていい?」と確認して本人の意思を尊重してあげることも大切かと思います。
②雨対策
我が家の場合、卒園式は小雨で入学式は強めの雨でした。正絹(しょうけん=シルク)は水に濡れると縮んだりシミになってしまうので雨コートが必要です。洗える着物の場合でも帯は濡れないようにコートや羽織でガードし、裾は少し短めに着付けましょう。
③寒さ対策
長時間外で撮影する予定の方はもちろん、コロナ禍の影響か入学式では体育館の入り口が開けっぱなしだったので、15℃を下回るくらいの日は寒さ対策をしておいた方がいいと思います。中に着込むよりもストール、アームウォーマー、ロング手袋など着脱できる防寒具がおすすめ。足元は冷えがちなので、足袋用のあったかインナーや裏起毛の足袋、膝下くらいまでのレギンスなどを履いておくと安心です。
④荷物
フォーマルでは洋装と同じように小さめのバッグを使うとバランスが良いです。七五三では撮影小物、卒園式ではアルバムや記念品を配られ、なにかと大荷物になるのでサブバッグや風呂敷を持ち歩くと便利です。
入学式では当日に渡される物の連絡が事前にあるかと思います。我が子の学校は教科書やさんすうセットなどもあり、サブバッグでは足りなかったのでランドセルを持って行ってよかったです(ランドセルは持ってきていない子の方が多かったですが)。
⑤着付け時間
自分で着付けをする場合、子どもの準備+食事+メイク+ヘアセット+着付けなどあらゆる準備が必要となります。着物を着慣れている方も、いつもより補正が増えたり重ね衿があったりと普段よりも時間がかかることが予想されます。当日焦らないためにも事前に練習をしたり、前日には小物などまで用意して一ヶ所にまとめておくことをおすすめします。
着付けを美容室などでお願いする場合も、事前に必要な道具が揃っているかよく確認しておきましょう。補正タオルや腰紐、伊達締めなど複数個必要なものもあります。
まとめ
- 子どものイベントで着物を着るなら「訪問着」「付け下げ」「色無地」「江戸小紋三役」がおすすめ
- 我が家の地域では着物での参列者も他におり、周囲の反応は好感触、みんな我が子に集中しているので悪目立ちしたり浮くことはなかった
- 洋服と共通するところもあるが、着物での参列は「子ども本人の意向」「雨対策」「寒さ対策」「荷物」「着付け時間」に要注意
事前の準備などで心配ポイントを潰していって、お気に入りの礼装で子どものハレの日を迎えてくださいね。